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子育てのモットーを「短所を直す」から「長所を伸ばす」に切り替えよう

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  子育てのモットーを「短所を直す」から

       「長所を伸ばす」に切り替えよう

・日本の子どもの自己肯定感が低いのは、「謙譲の美徳」のせいだけではない

国際比較調査を行うたびに、日本の子どもの自己肯定感の低さが問題になります。では、なぜ日本の子どもの自己肯定感は低いのでしょうか?

これには、いろいろな理由が考えられますが、日本特有の「謙譲の美徳」による部分もあるのではないかという説があります。つまり、アンケートや調査用紙に記入するときに謙譲の心が働いて、自己評価を低めにつけてしまうというわけです。

 

例えば、「あなたは家族の役に立っていると思いますか?」という問いがあって、次の4つから選ぶとします。

1  すごく役に立っている

2 少しは役に立っている

3  あまり役に立っていない

4 まったく役に立ってない

本当はすごく役に立っている子どもでも、日本の子どもは謙譲の心が働いて2や3を選んでしまうのではないか、ということです。私も、たしかにそういう部分はあると思います。でも、同時に、それだけではないのではないかとも思います。

 

・「短所を直す」がモットーだと叱ることが増える

私は、教師時代と教育評論家になってからの合計で36年間、教育に関わってきました。その経験を通して気づいたのは、日本の子育てや教育では、親も先生も子どもの「短所を直す」をモットーにしていることが多いということです。それに対して、欧米は「長所を伸ばす」がモットーになっていることが多いようです。短所を直す」がモットーだと、どうしても叱ることが増えます。

 

「また○○してない。何度言ったらできるの! ちゃんとやらなきゃダメでしょ!」

「なんでそんなにだらしないの? そういうところを直しなさい」

「そんなことで怒っちゃダメでしょ! まったく短気なんだから」

「もっとテキパキ動きなさい! 何をやっても遅いんだから」

「忘れ物ばかりしてないで、もっとしっかりしなさい!」

 

親が否定的な言語化をすると、子どもは否定的な思い込みを持つようになる

どうしても、このような否定的な言葉が増えてしまうのです。はじめから自分のことを「だらしがない」とか「短気だ」などと思っている子はいません。でも、親が否定的な言語化をしてしまうと、それを聞いた子どもは、「えっ、ぼくってだらしがないんだ」と感じます。そして、親に繰り返し言われ続ければ、それは確信に変わります。つまり、自分に対する否定的な思い込みを持つようになってしまうのです。

◆人生は思い込みで決まります。

自分は○○だと思い込めば、だんだんそうなっていくのです。

 

・「長所を伸ばす」がモットーだと、ほめることが増える

これらとは逆に、「長所を伸ばす」がモットーだと、ほめることが増えます。

「絵が上手だね。色の使い方がすてきだよ」

「走るのがはやいね! 足の動きがハンパナイよ」

「大きな字で大胆に書けたね。書き初めはこれでなくっちゃ」

「あなたの笑い方は本当に気持ちがいいね。ママも元気になるよ」

「歴史に詳しいね。お父さんも知らないことばかりだよ」

 

このような肯定的な言葉が自然に出るようになります。これは肯定的な言語化と言えるものです。 すると、それを聞いた子どもは、「えっ、ぼくって歴史が得意なんだ」と感じます。

そして、親に繰り返し言われ続ければ、それは確信に変わります。つまり、自分に対する肯定的な思い込みを持てるようになるのです。

 

・「子どものうちなら直る」は集団的勘違い

ということで、みなさんも、ぜひ「長所を伸ばす」という視点を持つようにしてください。そのためには、子どもの短所には思い切って目をつむることが必要です。 大人たちはみんな、「子どものうちなら短所や困った性格も直る」と思い込んでいますが、実はこれは何の根拠もない作り話です。デマであり、迷信であり、集団的勘違いです。

短所とか困った性格というものは、大人になってからのほうが直ります。自分の生き方とか将来とか人生などというものを、真剣に考えられるようになったときに、はじめて直るのです。ですから、子どものうちには直りません。

 

先に上げやすいところから上げるのが子育てや教育のコツ

子どものうちは、短所に目をつぶって、ほめられるところをほめて、そこをどんどん伸ばしてあげてください。そうすれば、自信もつき、親子関係もよくなり、よい循環がはじまります。 先に上げやすいところから上げるのが、子育てや教育のコツです。なぜなら、子育てには時間が解決するものがたくさんあるからです。子どもの将来は先が長いので、いずれ自分でスイッチを押します。親がすべてをやる必要などありません。子どものうちから完璧な人間にする必要などないのです。

 

・親は子どもの自己肯定感を育てながら待つことが大事

直ると思っていつまでも叱っていると、結局直らないだけでなく、自己肯定感が持てなくなり、親に対する不信感も出てきます。自己肯定感が持てないということは、言い換えると自己否定感にとらわれてしまうということです。こうなってしまうと、大人になってからもスイッチを押せない状態になります。つまり、大人になってから、自分の生き方、将来、人生を真剣に考えて、「直したい。直さなければ」と思っても、次の瞬間「でも、どうせダメだろうな。自分にはムリだよ」と思ってしまうのです。これでは、スイッチは押せません。

ですから、親としては、自己肯定感を育てながら待つことが大事だと思います。

                                ―親野智可等さんのコラムより

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