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なぜ速くてはいけないのか。

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なぜ速くてはいけないのか。

糸山泰造著「絶対学力」より(7)

先に速くていいのは「10の補数」と「九九」の計算だけだと書きました。

この2つはある程度速くなくてはいけません。

しかし、他の計算まで速くしてはいけないのです。速くて悪いことはないと思って

いる方が大勢いらっしゃいますが、速くてはいけないこともあるのです。

特に幼児期の学習でスピードを付けることほど危険なことはありません

なぜなら、考える力を養成すべき時期には、速さが一番の大敵になるからです

「作業と思考は反比例する」ということをご存知でしょうか。

例えば、思考作業を速くする場合を考えてみましょう。単純作業を速く行うには

何も考えないで、作業に没頭する必要があります。また、速い作業をしている時

に、何かを考えようとしても考えられません。つまり、速い作業には、考えるこ

とを妨害する作用があるということです。大人でもそうですが、計算を速くして

いる時には、頭の中では思考が止まっています。速い作業(高速計算)をしてい

る時には、頭の中では「考えるな」という指令が出ているのです。ですから、

幼児期に一番注意しなければいけないのは、この高速学習なのです。そこには

考える力」を生み出す要素は何もありません。

「あいうえお」を速く言うことと、本を理解することとは全く違うことです。

全文がひらがなで書いてあれば、小学1年生でも六法全書を簡単に読めますが、内

容までは分からないでしょう。それと同じことなのです。

また、小学校高学年になると、複雑な計算手順を踏まなければいけない式がたくさ

ん出てきます。ここにも高速反復のワナがあります。

子ども達が懸命に解く姿を見て、集中しているという人がいます。ところが、

「考えない集中力」をどんなに付けても思考力は育ちません集中力には

「考える集中力」と「考えない集中力」があります。そして「考えない集中力」

は頭を活性化させるのではなく、頭を疲労させるだけです。

ここに、笑えない笑い話があります。「赤ちゃんが話し始めたとたんに、速いことが

いいことだとばかりに、母親がその子を早口言葉教室に毎日連れて行って、高速会話

ができるようにしました。回りからは、スゴイスゴイ、速い速いと言われ、親子揃っ

て有頂天。そのうちに、その子はゆっくり話すことができなくなり、言いたいことも

聞きたいことも分からなくなって一言も話さなくなりました。その時、もうお母さん

はいませんでした。その子は一人で頭の中だけで高速会話をして、独りぼっちで一生

を終えました。」

反射とは自動化する(考える余地を与えない)ということです。

自動化は放置すると固定化します固定化すると新しい状況には対応できなくなります。

これを反射式プリントで考えると、

単純計算の高速化⇒「考えるな」という指令の繰り返し頭の硬直化硬直化した頭の

 固定化考えることを受け付けない拒絶化」となります。

ご注意

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